7歳男の子「下の前歯の歯茎が腫れている。歯並びが悪い」口周りの筋肉の動きを改善するマウスピース式矯正装置「プレオルソ」とトレーニングで、噛み合わせと歯並びを改善した症例

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年齢と性別 7歳男の子
ご相談内容 「下の前歯の歯茎が腫れていて、歯磨きのときに出血し痛がっている。歯並びが悪いのも心配」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 患者様のご家族様は「歯並びや噛み合わせの治療は、できるだけ子供に負担がかからない方法がよい」とおっしゃっていました。

拝見したところ、下の前歯(左右中切歯/1番、側切歯/2番)はスペース不足のため、内側に倒れてデコボコに並ぶ「叢生(そうせい)」が見られました。
そのため歯茎の位置が定まらず、炎症が起きた「歯肉炎」の状態でした。

また、上下の歯を噛み合わせた時は、上の前歯が下の前歯に覆いかぶさる深い噛み合わせ「過蓋咬合(かがいこうごう)」気味になっていました。
過蓋咬合によって、上下左右の奥歯(第1大臼歯/6番)は「低位」で噛み合わせており、大人の歯に生え変わる経過を見るだけでは過蓋咬合は自然に改善しないと診断しました。

過蓋咬合は適切なあごの運動ができず、口の中にあらゆる影響が出てきてしまいます。
また将来、あごの発育や生え変わりを終えた後の矯正治療「成人矯正」を行うとき、治療の難易度が格段に上がってしまいます。
そのため、成長過程の小児期における改善が望ましいと診断しました。

行ったご提案 ・治療内容 マウスピース式矯正装置「プレオルソ」を使用して、歯並びを悪くしている機能的な原因を改善することで、間接的に歯並びの治療を行うご提案をしました。
口が閉じない「口唇閉鎖不全」や口呼吸、舌の位置の異常などの口周りの筋肉の動きが改善されることをご説明をし、同意いただきました。

プレオルソは、模型上でサイズを確認したあと、まずは慣れてもらうために一番小さいサイズからスタートし、就寝中と寝る前1時間を基本に装着していただきました。
同時にプレオルソを使用したトレーニングを指導し、ご家族様にもご協力いただき習慣づけていただきました。

治療開始時は1〜2週間ごとにご来院いただき、経過を確認しました。
プレオルソは慣れてきたため、早々にワンサイズアップしました。

治療期間 約1年半
費用 初回装置代 40,000円
装置交換代 15,000円
(目安1年)
術後の経過・現在の様子 現在も治療を継続中ですが、プレオルソで下唇の過緊張からくる下前歯への圧をなくし、内側に倒れていた歯の傾きを元の位置に改善できました。
また、下あごは外側に動いてスペースが生じたため、叢生も徐々に改善されていきました。
同時に上前歯としっかり当たるようになり、噛み合わせが浅くなったため、奥歯に上下間のスペースができて第1大臼歯がしっかり生えた状態で噛むようになりました。

患者様には「ここまで変わるとは思っていなかった、歯並びが良くなってきて嬉しい。歯磨き時の痛みもなくなった」と大変喜んでいただけました。

プレオルソは「永久歯」が全て生え揃うまで継続して治療が必要です。治療を開始して約1年半経ちますが、まだ「乳歯」が残り、生え変わりが進んでいないため、今後も調整しながら使用を継続していただく予定です。
現在は3ヶ月ごとにご来院いただき、検診やメンテナンスも兼ねて経過を観察しています。

治療のリスク ・決められたスケジュールを守らない場合、十分な効果が得られない可能性があります
・マウスピースに対応していない症例の場合、治療が難しい可能性があります
・歯の移動に伴って、痛みや違和感を感じる場合があります
・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります
クリニックより プレオルソは機能的矯正装置に位置付けられます。
後天的な歯並びの異常は口腔内の悪習慣や筋肉バランスの異常によって引き起こされることが多く、プレオルソはそういった歯並びを改善してくれます。
また、口呼吸から鼻呼吸へと改善してくれる健康器具でもあります。
口呼吸は歯並びの不正だけではなく、風邪を引きやすくなるなど、さまざまな健康被害を生み出します。
ただ、あくまで機能的な矯正装置のため、ワイヤー矯正や拡大装置を使用した矯正治療と比較して矯正力は緩徐で、単純なスペースを解消するための拡大力は弱いこともあります。
しかし、当院では小児期より大きな矯正治療は必要ないと考えており、学習能力の高い小児期でまずは口腔内の機能を正しいものへ導き、より健康になることを優先しています。
その上で大きな歯の位置異常を自然に改善しつつ、改善が難しかった部分は永久歯が生え揃った13歳以降で考えていくこととしています。

治療前

    

治療中

    

治療後